2012/12/30

【構造分析】「いつまでもデブと思うなよ」

今回はスマートノートの書籍を書いた時の思い出話です。

単行本を書くために参考にした岡田斗司夫著作の「いつまでもデブと思うなよ」は、2週間ぐらいの間に7回ほど読み返したのです。今ではいい思い出w


いつまでもデブと思うなよ (新潮新書)
いつまでもデブと思うなよ (新潮新書)



2010/7/18 文藝春秋で岡田斗司夫のスマートノートを書籍化するためにが講演をすること決まりました。
それに合わせてオタキング.ex(現:FREEex)のノート術研で講演のレジュメが作られました。
当時、ノート術研の所長をしていたフミのまとめの内容なのです。

【参考】文藝春秋:お知らせ。岡田斗司夫「ノート術」講義


【レジュメ化の目的】

①書籍化のための講演であり、そのためのレジュメ。
②だから、書籍版の完成を想定してレジュメを作る。
③いままで岡田斗司夫の本で一番売れたのは「いつまでもデブと思うなよ」。これが 「マニュアル本としての完成度がもっとも高い」と仮定できる(以下、いつデブ)。
④「いつデブ」の構成や構造を分解して、それに対応するようにノート術を考える。

以上のような話し合いが行われ、公演をするために「いつデブ」の構造分析が行われました。


【いつデブの全体像】
序章~2章まではなぜダイエットが必要なのかについて総評。
3章~、はどうやってレコーディングダイエットをするかについて。
そして最終章は未来の提示へ。





【序章】一年で50キロやせたよ
成功するダイエットは楽しい。精神力も我慢もいらない最高の娯楽である。


 【第一章】「見た目主義社会」の到来
学歴社会は終焉した。見た目重視の現代社会で確実に損をする存在が「デブ」なのだ。

【第二章】ダイエット手段の格付け
MBAや英会話にあくせすするくらいならば、まずやせるべきだ。それも楽しく効率よく。


【第三章】助走・太る理由
デブの正体。それはカロリーという名の不良債権を増やし続ける多重債務者である。


【第四章】離陸・カロリーを計算してみる

好物イコール高カロリー。ネットを駆使して判明したのは冷徹な事実であった。


【第五章】上昇・カロリーを制御する
ついに浮上開始。一週間に一キロの脅威のペースで私は軽くなっていった。


【第六章】巡航・いろいろやってみる

太ろうとする我が体との騙し合い、駆け引きが始まる。勝つのはどっちだ。


【第七章】再加速・体の声を聴く

欲望型から欲求型へ。体が本当に欲するものが何かが見えてきた。

【第八章】軌道到達・ダイエットの終わり

0.5%の狭き門を突破。自己コントロール出来る方法を手に入れた。


【第九章】月面着陸・ダイエットは究極の投資である
重力から開放され新しい体を手に入れると、そこは別世界だった。




●ということで、まずはダイエットに動機づけになる序章から3章までの部分を構造分析。


序章 一年で50キロやせたよ

Ⅰ太っていることの認識から、ダイエットの効果の面白さ、体型によるデメリットとメリットについて。

  a 一年で50キロの減量に成功した。

  b ベルトの穴が一つずつ縮む。毎月ズボンを買いなおすようになった。

  c 周りの見る目が変わってくる。
  d 旅行としての楽しむダイエット
  e ダイエットが辛いという一般通念。
  f 運動・カロリー計算・失敗によるリバウンド
  g  やせている人とメガダイエットの差



【構造分析】
まず最初に50kgやせたという実績への信頼性。そしてやせていくイメージを見せながら、ダイエットは楽しいことだと、変化を体験的に読者に想像させ る。ダイエットを旅にたとえることで、心の中のイベント化。やせている健康オタクのダイエット論と、メガダイエットする人と必要なものが違うことに対して 言及。


 Ⅱ ワシントンポストによると、どんなダイエットにも効果がある。

 Ⅲ ○○だけ食べるダイエット、低インシュリンダイエットなどの具体例

 Ⅳ ダイエットを始めると他人からのアドバイスでプレッシャーが増えていく



【構造分析】
どんなダイエットにも効果があるという前提から、続けられることが重要なことへシフト。作者が有名なダイエットでの具体的な失敗をかくことで、読者の共 感、読者の経験してきたダイエットの黒歴史を思い出してもらう。そして自己流のダイエット経験者や情報過多によるプレッシャーにより諦めてしまった苦い経 験の回想。



 Ⅴ 成功するダイエットは楽しい。
  aもてはやされる
  b 自分に自身がつく
  c 他人からの評価が変わる。
  d 自分の人生をコントロール出来る。


 【構造分析】
ダイエットすることにより、注目される自分のイメージ化。相対的な勝ち負けではなく、具体的に数字が出るもの、一緒にがんばれるものであること。デブと いうキャラが不当に扱われていることへの認識。体重だけでなく自己コントロール出来るようになる副産物、人生の取り組み方の助走としての体重コントロール であること。


Ⅵまとめ
  a 必要なのはメモとペンだけ。
  b 第一章 なぜやせないといけないのか
  c第二章 なぜ自分がやせていないのか
  d第三章 レコーディングダイエットのノウハウ


【構造分析】
具体的な失敗談から続けられるダイエットの楽しさへ。この本の全体像。
まとめを書くことで、簡単に出来ることであることの強調。本の構造を示すことで、読者の必要な部分だけを読むことが出来るというお品書き。
本全体について書かれている内容になっている、2章までのダイエット総論については、ここにまとめられている。




 
第一章 「見た目主義社会」の到来

 Ⅰ見た目主義への認識。

  a ビールの売り子などビジネスにおける見た目主義。
  b ワゴン新規コンビニでの派遣スタッフ
  c やせているメリットと、太っていることでのデメリット。
  d 家柄主義→学歴主義→ブランド主義→見た目主義
  e 家・一族から個人へ、自分の気持ち至上主義


【構造分析】
見た目主義へ移行している具体例として、ファーストラベルとしての重要性。
見た目主義へと移行していることに気付いていない読者に対して、会社内・就活・プレゼン方法など価値観が代わってきていることへの変化の認識。


 Ⅱ見た目至上主義社会での攻略法

 Ⅲ周囲と違うことから生まれるキャラ
  a 見た目の印象でキャラはほとんど決まってしまう。
  b 一度与えられたキャラの変更は難しい。


【構造分析】
キャラと違ったことをすると否定的にとらわれしまうことへ認識。デブのキャラは大食い、だらしない、明るい人付き合いは下手。だから知的なデブなどの キャラ否定による、特化として評価を受けてしまう。
太っていることを受け入れている人への問題定義している感じかな?
・太り続けていることを生き方として選んだ人には、反発する内容になってしまう。



 
第二章 ダイエット手段の格付け

 Ⅰ相対的に比較する見た目主義

 Ⅱ見た目主義の階層
  a 肉体そのもの
  b ファッション
  c 言動

 Ⅲ自分の価値を高める投資として。リスク&リターン


  a内実系と、見た目系
  b見た目系が有利な理由。
   ・リスク
   ・リターン 異性/上司/同僚/部下
   ・格付け

 Ⅳダイエットにおけるリスク&リターン
  a 食喰系と、運動系
  b レコーディングダイエットが有効な理由。
   ・投資 経済負担/体力負担/手間・時間負担
   ・リターン 短期効果/長期効果
   ・リスク リバウンド/健康に対する長期的な悪影響



【構造分析】自分プロデュースとしての費用対効果、ダイエットとしての格付け
数字を挙げることにより抽象から具体へ。

・一過性なものではなく、リバウンドなどの長期的なリスク・心理的負担まで、表にしているところが一番すごいところかな?



●三章では本の構造を示すことで、読者の必要な部分だけを読むことが出来るというお品書き。デブであることで 服さえ選べない不自由さ、収支のバランスとしてのレコーディングダイエット、無自覚に太る努力をしている、自分を騙して太る努力をしてることへの言及が されている。

印象としては、本全体について書かれている内容になっていること。2章までのダイエット総論については、ここにまとめられている感じ。以降はダイエットをするためのマニュアルなので、ツールとして分析。



第三章 助走・太る理由

 Ⅰレコーディングダイエットとは
  a記録するダイエットとして
  b段階的で進行するダイエット
   ・助走・離陸 スタートとして
   ・上昇・巡航 本格的な減量として
   ・最加速・軌道到達 停滞期から目標体重へ。

(まだ月面着陸が隠されている)

 Ⅱ助走の発見
  a自称グルメ
  b破産した体重を把握するダイヘットヘ
  cまずは収支を知る
   ・口に入れたものは全てメモにとる。
   ・毎日体重を量る

 Ⅲ助走の開始
  a太り続ける努力
  bいつの間にか食べている魔の時間
  cメモによって気付く本当の自分の行動。

 Ⅳ助走ポイント
  a体重を毎日計る
  b口に入れたもの全てをメモする
  cガマンしない


第四章 離陸・カロリー計算してみる

 Ⅰ助走から離陸へ
  a食べたいものは全て高カロリー
  bカロリーはあくまで目安
  cカロリーから現状の食事内容の把握。

 Ⅱ離陸ポイント
  a体重・体脂肪率を毎日計る。
  b口に入れたものすべてをメモし、カロリーを計算する
  cどうやれば総カロリー数を減らせるか想像してみる。でも我慢はしない。



 
第五章 上昇・カロリーを制御する

 Ⅰ食事のパズルゲーム
  aカロリー計算を楽しんでみる。
  b自分の好きなところだけ食べる。
  c惰性で食べているものはゴミ箱へ。
  d余分に取ったカロリーは数日かけて回収する。
  e食事が減った分、水分の補給。

 Ⅱ意志から知恵へ
  a食べられらないストレスを食べるための工夫へ。
  b食べたい?食べたくない?
  c低カロリーでおいしく食べられるものを、いくつ持っているかが勝負の鍵。
  d身の回りにあるメニューを観察してみる
   ・サブウェイ
   ・おかゆ

 Ⅲ上昇のポイント
  a体重・体脂肪率を毎日計り、口に入れたものすべてをメモし、カロリーを計算する。
  b一日の摂取カロリーを年齢・性別にあわせて決め、それを守る。
  c食べ過ぎても公開や反省はせず、翌日からのフォローで切り抜ける。
  d毎日、水を二リットル飲む。


 
第六章 巡航・いろいろやってみる

Ⅰ75日目の変化
  a 空腹感と落ち込み
  bコンビニの晩コーナーの前で泣いた
  cホメオスタシスによる飢餓感

 Ⅱレコーディングダイエットの真価
  a自分の努力としての記録。
  b体脂肪量 体重x体脂肪率=体脂肪重量
  cサイズの変化も記録
   ・体重の変化
   ・体脂肪量の変化
   ・外面的なサイズの変化
   ・停滞期とは、3つのサイクルの動きが止まったとき

 Ⅲ停滞期のダイエット
  aレコーディングダイエットに他のものを取り入れる。
  bホメオタシスのバランスを崩すための運動。
  cビタミン・ミネラル不足からくる飢餓感の解消
  e美味しい食事は一日一回。残りは節約とコントロールへ
  f睡眠時間や運動時間など比較できるものをレコーディングしてみる。

 Ⅳ巡航のポイント
  a75日目あたりに体調の変化がある
  b体重や体脂肪は、脈動てきに変化する。
  c停滞期はいろんなダイエット法を併用して乗り切ろう。
  d豆乳野菜ジュースはオススメ


 
第七章 再加速・体の声を聞く

Ⅰ75日目を超えて再加速する
  a食べ物を見ただけで、カロリーが分かるようになる。
  b自然に食べられるものが変化していく。
  c空腹と満足の間のサインを聞く

Ⅱ食事を欲望から、体の必要なものへ
  a頭で食べたがるもの、満足感で食べてしまうのが、欲望という名の食事。
  b体が食べたがるものが、欲求という名の食事。
  cイメージや記憶まで動員する食欲は欲望。
  d欲望という頭だけの食欲から、本来の食欲へ。

 Ⅲ再加速のポイント
  a食べ物の変化に気をつけよう
  b「満腹」や「ちょうどいい」の直前、「まだちょっと足りない」で食事は止めよう
  c「○○が食べたい!」という欲望ではなく、「○○を欲しがっているな」という体の欲求を理解しよう。



第八章 軌道到達・ダイエットの終わり

 Ⅰメモからサインへ
  a計器飛行から有視飛行へ
  b本当の満腹とは
   ・10段階の胃袋の満足感
    ・胃袋ダイエット
  c意志でコントロールするダイエットから、身に付いたダイエットへ
  dあるべき自然の体型から、自分の欲求するものへ。
  eそして、レコーディングダイエット卒業へ


 
終章 月面着陸・ダイエットは究極の投資である。

 Ⅰ重力六分の一の世界
  aコンビニ定員たちから見た観測
  b罪悪感と食欲の取り違え
  c太っているコスト
   ・デブ専門店
   ・冷房費
    ・服代
    ・部屋代
  d太っているストレスからの開放
  eそして、心の助走へ。

3 件のコメント:

  1. いつまでもフミと思うなよ

    返信削除
  2. いつまでもフミと思うなよ

    返信削除
  3. 初めてコメントさせていただきます。

    スマートノート実践中のものです。

    フミさんのブログは、時折拝見させていただいていたのですが、今回の記事・・・めっちゃ役に立ちます。

    新しい企画をつくる方法、その楽屋まで見させていただいたようで・・・ あと数十回は分析してノートに書きまくりたいと思います

    返信削除